【秀麗富嶽十二景】最終十二番山頂の「本社ヶ丸」はマジきつかった。。。

こんにちは!低山日帰りクライマーのシンジーノです。

山梨県大月市エリアの秀麗富嶽十二景の「高川山」「九鬼山」をやって、すっかりその魅力にハマった私は十二番山頂の大取り「本社ヶ丸(ほんじゃがまる)」に挑みました。

▼関連記事:美しい富士山が大きく近くに見える「高川山」「九鬼山」の記事はこちらから

目次

秀麗富嶽十二景とは

山梨県大月市エリアで、富士山を望む優れた景観がある場所として1992年に定められた十二山を指す。大月市から見て南南西にある富士山は三ツ峠山等の山々がその裾野を隠すことになるが、これが富士山が十二単を身につけているように見えるとして、12の数字をとって十二景が選ばれた。選定は大月市出身の山岳写真家白籏史朗を中心におこなわれ、1990年に白簱による撮影が行われた。(ウィキペディアより引用)

本社ヶ丸の魅力とは

最初に白状しちゃいます。本社ヶ丸山、キツかった~。正直、登山初心者にはお薦めできません。ゴリゴリ登り応えのある山でした。

本社ヶ丸の特徴

秀麗富嶽十二景の十二番山頂である本社ヶ丸は笹子川右岸では最高峰の標高1,631メートル。出発地のJR笹子駅の標高は約600メートルあり、その標高差1,000メートル。累計標高差は約1,300メートルにも及び、歩行時間も約7時間半。急登あり、岩場あり、ぬかるみ滑りやすい道もあるなかなかハードな山です。登山口のある変電所近辺から笹子駅まで約1時間20分も車道を歩かなければならないところもしんどいところです。

コースタイム

  • JR笹子駅発(7:50)
  • 林道との交差(10:10~10:20)
  • 宝越え分岐(10:50)
  • 角研山(11:11)
  • 鉄塔(11:30)
  • 本社ヶ丸山頂(12:34~13:20)
  • 清八峠(13:55)
  • 変電所付近登山口着(14:57)
  • タクシーで大月駅まで移動

註:タクシーは配車距離範囲の関係から変電所⇔笹子駅間のみの送迎はしてもらえません。大月⇔変電所間ならOKです。タクシー料金は約4,000~7,000円位かかります。

往路の登りで"林道との交差"までの間に道迷いがあり、ロスが生じていますので、その点ご了承ください。

登山道中レポート

JR中央本線笹子駅から出発します。

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この登山コースは「本社ヶ丸」と「清八(せいはち)山」の二山に登るのですが、登り方は大きく2通りあります。①東周り(酒遊館)と②西周り(変電所)です。私は急な下り道が苦手なので事前に大月観光協会に聞いてみた所、どちらかというと東周りで登る方が急登だそうです。つまり西周りを取ると復路が急な下りになる、ということですので今回は東周りのルートを取ることにしました。

いつものように出発地で記念撮影。メンバーは「チームK」の精鋭3名+私です。

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笹子駅を出て右方向に進みます。左手に「笹子餅」のみどりやさんが見えます。

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今は国道20号線(甲州街道)沿いに建っていますが、もともとは旧甲州街道の笹子峠の麓にあったお店だそうです。昔は旅人でさぞ賑わったことでしょうね。

>>>「笹子餅」のみどりやさんの情報はこちら

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笹子で造られている甲斐の銘酒「笹一」酒造の前を通ります。酒蔵見学もやっているそうで、個人的には立ち寄りたい気持ちを振り切って山男は山に向かいます(笑)。

>>>笹一酒造の公式サイトはこちら

車道と交差する川の手前を右に曲がって山に入っていきます。

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いきなり山道に入ったかと思いきや林道とも交わりながら登っていきます。

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どうやらこの辺りから登山道に入っていくようなのですが。。。登山靴の紐を締め直して、と。

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恐らくこの辺りから道を間違ってしまったのかもしれません。本来の登山ルートより右に逸れてしまったようです。

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とりあえず人が歩いたらしき跡はある為、尾根へ尾根へと登っていきます。

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GPSと見比べながら「う~ん、違うみたいだなぁ・・・」歯を食いしばって登った尾根の先に道は無く、沢へ下る急斜面があるだけでした。この先の道は正直写真を撮る余裕はありませんでした(笑)滑らないように転ばないように木をつたいながら道なき道を急激に降りていきます。

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どうにかこうにか沢まで下りてきました。

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本来の登山道に戻るまでしばらくはまた道なき道を登りました。「どうやら本道に合流できたかな?」と思うとまたこの急登です。勘弁してぇ~

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正直この時点で「今日は本社ヶ丸までたどり着けないんじゃないか、笹子駅まで戻った方がいいんじゃ・・・」と弱気になっていました(笑)

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道の脇に鉄塔が現れ、プラスチックの階段(これも崩れていましたが)を登りきると・・・

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車道に出ました。この時点で10:10。出発から2時間20分格闘していたことになります。ザックをおろして10分休憩。メンバーみな言葉少なく。。。結果的には地図上のコースタイム(2時間10分)から10分遅れただけで済みましたが、体力をかなり消耗してしまいました。ここからまだ2時間以上歩かなければ本社ヶ丸山頂には到着できません。・・・さあ気力を振り絞って登るぞー!

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この先の道もフラットな所もありましたが基本的には登りが続きます。ただ思いました。「ちゃんとした登山道ってなんて歩きやすいんだぁ、ありがたや~」

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車道との交差地点から30分で尾根に出ました。「宝越え」という分岐です。そこを右に折れて更に進みます。

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「宝越え」分岐から歩くこと20分。11:10に角研(つのとぎ)山に登頂です。標高1,377メートル。角を研ぐ山って面白いネーミングですね。鋭利でちょっと恐そうな名前です。

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さらに尾根沿いに進むこと20分。本コースの中でこの間の道は歩きやすかったです。

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急にぱっと視界が開け、送電鉄塔が現れました。

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広い草っぱらの斜面を登ると、

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11:30鉄塔着。ぐぁ~気持ちいい~。(この日の登りの中でようやく味わえた爽快感)

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周囲の山々も見渡せます。この場所で10分休憩。各自行動食を摂り、栄養補給しました。

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11:40鉄塔発。さあもうひと踏ん張りで待ちに待った本社ヶ丸山頂です。

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基本、尾根歩きですが、小さなアップダウンを繰り返していきます。徐々に山に岩肌が見え出してきました。

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12:35 本日のピークである「本社ヶ丸」着。笹子駅から4時間45分(休憩込み)で登頂!あ~ちかれたび~

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残念ながら山頂から富士山は拝めず。私たちの後ろに見えるのが三ツ峠山(1,785m)で、晴れていればその右後ろに富士山の雄姿が見えたはずなのですが。。。でも山頂からは360度見渡せますので他の山々の雄姿を確認できました。

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では本社ヶ丸山頂からの眺望を動画でどうぞ~

それでは山登りのお楽しみ、お昼ごはんです。本社ヶ丸山頂は広くなく10名もいれば一杯ですが今日は先客がお二人ほどでしたし、風もなく暖かかったので山頂で食べることにしました。。今日の私のメニューは・・・

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日清のカレーメシ!「チームK」のK隊長が「山登りにぴったり!」と太鼓判を押す逸品です。軽くて本格スパイスが効いたカレーです。200円そこそこのお値段でありながら、登山の為に生まれたような(?)本格派食品。お湯を入れて5分待った後、ルーが溶け米が水分を吸うまでグルグルひたすらかき混ぜる(この"ひたすら"がコツです)と、

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濃厚なカレーリゾットの出来上がり。インスタント食品としてはかなりの品質です。写真では見えませんが、下の方に肉など具もしっかり入っています。

さて副食でランチパックを持ってきたのですが、

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気圧で袋がパンパンです。さすが標高1,630メートル。

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山グルメのI隊員はトマトクリームソースパスタソーセージ添え。下の白いのは、紙製のテーブルです。山の上で地面を平らにするのは結構大変なんです。I隊員いわく「とっても便利でもう手放せないよ」と言っていました。

昼休憩を45分取って13:20に本社ヶ丸を出発!と、いきなり現れたのが、、、

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見てください、この岩場を。

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送電鉄塔~本社ヶ丸~清八峠までは岩場、細尾根が続きます。東丹沢の三峰山を思い起こさせるようなスリリングな道です。

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しかしアップダウンはさほどでもないので慌てずゆっくり進めばさほど怖くはありません。あの急登に比べれば楽しい山歩きです。

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この2~3日冷え込みましたので、北斜面は雪が残っており、凍結部分もありました。観光協会の方が「念のため軽アイゼンはあった方が良い」とアドバイスいただきました。

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幸い軽アイゼンは使わずに済みました。本社ヶ丸を出発して35分、清八峠に着きます。ここから清八山まで片道10分程度で往復できますが、今日の天候だと富士山は望めず、下山後のスケジュールも押していたので今回は清八山は見送って下山します。

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この下り道(約1時間)が曲者でした。斜度は往路の登りよりキツくはなかったし、上の方は土が凍って固まっていたので歩きやすかったのですが、下の方は土が溶けてぬかるみになっていて滑りまくりました。いや厳しかったです。後から思いだしてみても往路の急登と同じくらい歩きにくくしんどい道でした。(ここも写真を撮る余裕なぞとてもなく(笑))

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登山口には鹿ネットが張られていました。山から鹿が里に下りてこないようにする為ですね。この辺りは昔から鹿がたくさんいて、猟師が獲って貴重なたんぱく源として食べられていたそうです(大月タクシーのK運転手さん談)。

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いいこともありました。こういう水墨画のような幻想的な風景も目にすることが出来たのです。

秀麗富嶽十二景「本社ヶ丸」登頂を終えて

いやほんとにキツかったです。「高川山」と「九鬼山」が比較的楽に登頂できたので秀麗富嶽十二景を甘くみていました。

  • 標高差:1,000メートル(累計標高1,300メートル)
  • 急登の連続
  • 山頂直下によじ登る系の岩場あり
  • 歩行時間:約7時間半

はダテではありませんでした。登りの急斜面と下りのぬかるみに往生しました。次回は体調を整え、道を間違えず、荷物を極力減らし、余裕を持って臨みたい(行くとすればですけどネ(笑))、今回は山頂から富士山が見えなかったから余計に辛かったのかもしれません。富士山に会えていたら登頂時の満足感も違っていたでしょうね。

そして更に変電所から笹子駅まで車道が1時間20分も続きます。これも相当キツい。アスファルトは足に堪えるし歩いてても楽しくないし、根性無しの「チームK」は「金で済むなら言ってくれ」とばかりに出発前から車道歩きを放棄し、タクシーを予約しておきました。結果的にはそれが正解でした。登山口を下りて、迎えのタクシーが見えた時のあの安堵感と喜びは今回のルートの中でイチバンだったかもしれません(笑)

富士山が大きく近く見える「秀麗富嶽十二景」の第十二番「本社ヶ丸」なかなか侮れないコースでした。

そして更に想定外の出来事がありました。変電所から大月までタクシーで送ってもらった先は「大月市福祉センター」です。ここは登山者でもなんと520円でお風呂に入ることができるというありがたい施設なのです。やはり下山後の楽しみと言えば「風呂」と「酒」ですからね~。

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ところが!なんとお風呂に入れませんでした。例の新型コロナウイルス対策としてお風呂がクローズしていたのです。その時の我々のショック、想像できるでしょうか・・・意気消沈。。。

下山後反省会は再び超穴場居酒屋「桂川」にて

ダウン寸前の気持ちをなんとか立て直して、改めて大月駅までタクシーで送ってもらい(740円)、駅で休憩しました。汗まみれの服を着替え、コンビニでビール/ハイボール/日本酒などを補給して5時を待ちました。なぜ5時かって?それは反省会会場が5時オープンだからです!

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会場は大月駅前の居酒屋「桂川」。"かつらがわ"と書いて"けいせん"と読む。先週から2週連続で来てしまいました。ここはなんとも居心地いいお店なんですよ。スナックの居抜きなので、初めての時、ドアは入りにくいんですけど(笑)

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では、今週も19:43発の大月発(直通)東京行きの電車まで反省会開催です。では先週には食べなかったメニューをご紹介しましょう。

まずは「鳥皮ポン酢」鳥皮がカリカリで旨い!なんと300円也!

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先週は箸をつけてしまった後に撮影したマグロぶつ。こちらが正式な量です。500円。

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そして「野菜炒め」500円。塩味あっさりで疲れた体にやさしい味でした。

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今週も頼んでしまいました。焼酎一升瓶(二階堂)ボトルで。4,500円也。夜はやや寒くなったので今夜のベースはお湯割りで。

そして〆めは「桂川ラーメン」500円也。見たままの醤油ラーメンです。奇をてらわず、こだわりすぎず、普通に作った中華そば。"これでいい"んです。"これがいい"んです。

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そしてママさん初登場!

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先週、九鬼山から下山後、立ち寄った桂川の様子が書いてある、たびこふれの記事を見せたところ「恥ずかしいけどうれしい~」とのことでした。今週も載せちゃいますよ、えへへ。

ただこれで山登りする人が押し寄せて入れなくなったら我々が困るんだけどなぁ(笑)この居酒屋「桂川」に通われている常連さんもいらっしゃいますので外からの人間はマナーを守り、迷惑をおかけしないように飲みます。また来ますよ!ボトルの焼酎あと10cmくらい残ってるし。

さらに面白いエピソードがありました。下山後、笹子変電所から乗せてもらった大月タクシーのK運転手さん。とてもお話好きの方で地元のお話をいろいろ伺ったのです。その会話の一部

「これから僕たち大月駅で反省会(飲み)をするんですよ」

「へぇどこで?」

「桂川っていう居酒屋さんです」

「おおあそこか、うんあそこはいい店だ、俺もよく行ってるよ」

「ホントいい店ですよね、実は僕たち先週も飲んだんですよ」

「ありゃ、そういえば先週そんな客いたなぁ」

・・・そうなんです。先週桂川で飲んだ時、カウンターに座られていた常連さんのお一人がタクシーの運転手さんだったんです。背中越しの会話だったのでお顔を覚えていなかったのですが、言われてみればどこかで聞いたことある声のような・・・なんという偶然。こちらが先週のワンシーンです。

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K運転手さん、「お店5時からだけど早く開けてもらうよう俺、電話してやるよ!」と電話してくださり、開店15分前にはお店に入れてもらいました。今日の本社ヶ丸登山はしんどかった、富士山も見えなかった、お風呂も入れなかった、でも今週も居酒屋「桂川」に来れた、大月の人たちの温かさにも触れた。「あぁ、今日もいい一日だったなぁ!また来るよ、秀麗富嶽十二景!」

>>>大月市観光協会公式サイトはこちら

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3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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