【台湾】大正ロマンの香り漂う旧料亭でくつろぎのひととき

台湾の古都、台南には歴史に磨かれた建物が、街のいたるところにあります。日本統治時代に創業した鶯料理もそのひとつ。近年修復工事が終わり生まれ変わった、かつての高級料亭で、当時の趣を味わいながら、台湾風アフタヌーンティを楽しんできました。

目次

「台南の裏政策決定センター」と呼ばれた鶯料理とは?

台南州庁(現在の国立台湾文学館)や合同庁舎(現在の消防史料館)など、日本統治時時代に建設された公的機関が密集するエリアにたたずむ鶯料理もまた、日本統治下にあった1912年に料理人である天野久吉氏によって創業されました。初めは大衆食堂としてオープンしましたが、のちに高級料亭へとリニューアル。特に鰻料理が定評で、政治家や商人が集まる社交場として栄えたことから、「台南の裏政策決定センター」の異名もあったそう。

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戦後、建物は台南第一高等学校の宿舎を経て、長い間手つかずの廃墟状態となります。老朽化が進む中、創業からちょうど100年となる2012年に、政府による修復工事が始まり、その翌年には、建物が一般公開されました。2018年には、台南の老舗台湾料理店として有名な「阿霞飯店」が、敷地内の南側の棟の経営権を持ち、「鷲嶺食肆」としてオープンしました。

門をくぐると、そこは懐かしさただよう日本

鶯料理の入り口は、細い路地にあります。公園路から向かう場合は旧台南測候所が、忠義路から向かう場合は阿霞飯店が目印になります。原鶯料理と書かれた門をくぐると、そこには、静かに時間の流れる日本庭園が広がっています。

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門からみて、右側にあるのが中棟と裡棟。靴を脱いで上がる棟内には、三味線の音楽が流れ、当時使用されていた制服や食器、調度品などが展示されています。鶯料理にまつわる史料をのんびり眺めながら歩いていると、ついつい台南にいることを忘れてしまいそうです。

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そして、敷地の南側に当たるもう一方の建物が、数年前に阿霞飯店によってオープンした「鷲嶺食肆」です。「鷲嶺」とは昔の地名で、高い建物が周りにあまりなかった当時、海抜14メートルのこのあたりからは、台南の景色を一望することができたそうです。「食肆」は十四と同じ発音であることが、この店名の由来となっています。

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1階は、阿霞飯店のオリジナルグッズや、ビール、カラスミなどを取り扱う販売コーナーになっていて、その奥にある日本庭園からは2階へ上がることができます。広々とした2階には、かわいらしい座卓がずらりと並び、庭園を眺めながらのんびりお茶することができます。

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ここならではのお茶請けでくつろぎのひととき

「鷲嶺食肆」では、お茶やコーヒーなどのドリンクのほか、プリンなどのスイーツが楽しめます。ですが、ここに来たからには、ぜひ他にはないメニューに挑戦してみましょう。例えば、葉っぱに包まれて登場する蒲焼鯛魚飯飯糰(醤油鯛のおにぎり/60元)は、醤油味のしみ込んだ鯛とごはんが、葉っぱに包まれて登場します。まるでうな重のようなお味は、鶯料理の看板メニューを彷彿とさせる一品です。

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そのほか、庭園に植えられている樹齢100年のピンポンの樹と、阿霞飯店の看板メニューであるおこわにちなんだ蘋婆米糕(ピンポンのおこわ)や、阿霞飯店のオリジナルビールなども楽しめますよ。 台南に来たからには、日本と台湾、そして今と昔が交錯する「鷲嶺食肆」に、ぜひ足を運んでみてくださいね。

鷲嶺食肆

  • 住所:台南市中西區忠義路二段84巷18號
  • 電話:06-221-0595
  • 時間:13:00~21:00(土日は10:00~)
  • 休み:月曜

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ロータス

ニーハオ!!2007年より台湾在住! 台湾の老街(ラオジエ)での雑貨散策とB級グルメ食べ歩きが得意。 南国のんびり暮らしのブログを発信中。

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