銘酒のふるさとを訪ねて「フランス編」

目次

最初に

「ボルドー」と「コニャック」の産地を訪ねて。

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フランス南西部にあるヌーヴェル=アキテーヌ地域圏。 広域圏とは馴染みのない名前ですが、広域圏の首府が置かれている「ボルドー」と言う都市名は、皆さんにもワインの名産地として馴染みがあると思います。また更にボルドーから130kmほど離れた、高級ブランデーを製造する小さい町「コニャック」。こちらも耳にされたこともある方も、多いと思います。

今回、ブドウ収穫直前のボルドーと、コニャックを訪問する機会がございました。どちらも銘酒の生産地として知られていますが、そこにはこだわりを持ってワイン造り、コニャック造りに励んでいる方々がいらっしゃいました。今回の話はあまり飲み過ぎないで、最後までお付き合いください。
【お酒は二十歳になってから】

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二杯目:ボルドーワイン「シャトー」で試飲

事前に「Cite du Vin (シテ・デュ・ヴァン) 」でワインの勉強をしたあと、実際にボルドーにあるワイン醸造所に向かいます。フランス語では「城」、「大邸宅」を意味する「シャトー」ですが、ボルドーではブドウ畑を所有し、栽培、醸造、熟成、瓶詰までを行う生産者のことを「シャトー」と呼ばれます。ブドウを栽培するための畑を自らが所有する点が、後述するコニャック生産者との大きな違いです(一部例外もあり)。

広大な面積を誇るブドウ畑での作業は、「機械化が進んでいるんだろうな...」と思っておりましたが、訪れた全てのシャトーでは、今でも手作業で行われており、ブドウ畑での多くの方が作業をされているシャトーもあり、驚きました。

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シャトーのオーナー曰く、「ワイン作りにはもちろんブドウが必要だが、その他に必要な条件が三つある」とのこと。その三つの条件とは一つ目は「土壌」。ブドウの特徴として、水は引かなくても良いが土壌は大切とのことでした。二つ目は「気候」で、ブドウ栽培に適度な降水量が必要ですが、多過ぎてもダメ。最後の三つ目は「作り手」。ワインに情熱を持って接することが出来る人柄が重要とのことでした。 ボルドー一帯にはぞれぞれの場所で、それぞれの土壌と気候に適した品種のブドウの栽培が行われていますが、、、。

オーナーは「ワインは品種で選ぶのではなく、ワインを作ったシャトーを覚えておき、購入する方が良い」とのこと。その発言は意外でしたが、「レストランではシェフが違えば味も違うように、良いワインでも同様」とのことで、今後のワイン選びの際の参考になりそうでした。
【飲んだら乗るな、乗るなら飲むな】

三杯目:高級ブランデー「コニャック」のふるさとへ

ワインシャトーの見学に続いては、高級ブランデーの代名詞でもあり、同じくブドウから造られる高級ブランデーの「コニャック」へ。ワインの醸造所は「シャトー」と呼ばれますが、コニャックの醸造所は「メゾン」と呼ばれています。その違いを質問したところ、ワインの「シャトー」は自家でブドウ畑を有しているが、一方コニャックの「メゾン」はブドウ畑を有しておらず、ブドウ農家からコニャック用のブドウを買い取るため、違った名前で呼ばれているそうです(勉強になります)。

コニャックに用いられるブドウは栽培地区によって品質が違っており、コニャックで特定方法に基づいて醸造されるブランデーのみが、コニャックと呼ぶことができます。コニャック村の中心部を流れるシャラント川の近くでコニャックは醸造され、生産量の90%は輸出されおり、海外ではアメリカ、次いで中国で飲まれています。

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フランスでは重たい料理が続き体内の消化を助けるため、かつてはコニャックのような強いアルコールを飲む習慣があったが、今は少なくなっています。現地での「メゾン」の担当者からは、今後のコニャック消費を拡大するため、食事中に嗜むコニャックを使ったカクテルを開発に取り組んでいるとの話がありました。「コニャック」と言う世界的な名称に安住せず、攻めの姿勢は見習わなくてはなりませんね。またコニャックの醸造もボルドーワインと同様で、ブドウの土壌、気候、品種が大切とのことでした。

ボルドーワインのブドウ畑ではブドウを手摘みしますが、コニャックのブドウ畑ではブドウを機械で摘みますので、畝と畝の間もボルドーワインとは異なり幅が広く、また背も高くなっている点など、現地へ赴かないと分からない発見でした。
【空き缶、空き瓶はくずかごに】

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最後に

丁寧で愛情あふれる、仕事を見て。

今回は最初にボルドー市内にある「Cite du Vin(シテ・デュ・ヴァン)」でワインの起源、その歴史、文化も知れ、またその建物のデザインも印象に残っています。 現地滞在中は連日、ボルドーワインの「シャトー」と、高級ブランデーコニャックの「メゾン」を訪問しました。全ての「シャトー」のオーナー、及びコニャックの「メゾン」の担当者とも自ら造り出したお酒に対して、非常に愛情も持って接しており、その姿に感銘を受けました。

我々が食卓でそれらのお酒を手にするまで、さまざまな行程を経ていたことが改めて分かり、発見の連続でした。これからはこちらも愛情あふれるお酒を少しずつ、丁寧に味わって行きたいと思います。 ここまで長らくお読みいただき、ありがとうございました。それでは最後に、乾杯!
【許可を受けない、個人での醸造は違法です】

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