ガラパゴスだけじゃない!エクアドル本土から海洋生物を楽しむ大迫力のホエール・ウォッチングツアー

いくつかのインターネットサイトでは、エクアドルでの体験ランキングTOP10に入るプエルト・ロペスのホエール・ウォッチングツアー。

今回は「ホエール・ウォッチング+プラタ島一日ツアー」について紹介します。 

目次

ツアー出発地「プエルト・ロペス」について

プエルト・ロペスはグアヤキルからバスで4時間の場所に位置する海岸沿いの静かな町。ゆったり落ち着いている雰囲気ですが観光にも力を入れており、海岸沿いには旅行会社とレストランがずらりと並びます。

もちろん、魚介も新鮮。ビーチにある市場では毎朝新鮮な魚が並び、地元の人々は大量の魚を捌いています。ぜひともシーフード料理を堪能してみてください。

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プエルト・ロペスでは、目の前のビーチで泳いでいる人はあまり見かけません。というのは、しっかり管理された無料の国立公園「ロス・フライレス」ビーチへバスに乗り10分で行くことができるからです。

穴場とも言えるこのビーチで、訪問客はゆったりとしたひと時を過ごせます。運が良ければシーズン期間中は、ロス・フライレスビーチからでも目を凝らして沖のクジラをかすかに見る事が出来ます。

しかし、やはり近くで見たい!という事で、今回はツアーに参加しました。

ホエール・ウォッチング

このツアーではザトウクジラを見る事が出来ます。

ザトウクジラは生まれた時は、3m前後、大きくなると16mくらいまでに成長します。大人のクジラは40トンくらいになります(人間にして600人、象6頭分に相当)。

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朝9時に集合し、20人程度を収容できる船で出発します。一時間半くらいかけてクジラ観察しながらプラタ島を目指します。

往路では、ある程度の距離から、クジラがゆったり泳いでいる姿を観察する事が出来ました。しかし、出来るならザトウクジラ特有のブリーチング(ジャンプして水上に飛び出す)を見たいと思っていました...。

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その矢先、復路では何匹ものクジラのグループに遭遇!左右や後ろ、次々と出現してくれました。

その後は、ザトウクジラ達のブリーチングや、潮吹き、尻尾を水上にあげるといった行動を驚嘆しつつ観察しました。

ガイド曰く、ブリーチングとはクジラ同士の戯れまたは、コミュニケーション方法の一つとの事でした。(※諸説あり。)

最も接近した時は5~6mの距離で観察する事ができ、乗船客も皆大興奮!大満足でした。

アオアシ・カツオドリ

クルーズの目的の一つに、国立公園の一部であるプラタ島へ上陸します。ここではウミ鳥達、特にエクアドルで人気の「アオアシ・カツオドリ」を観測出来ます。

体長80cm(翼開長時152cm)前後の海鳥。あらゆる所にいます。喉をホロホロしてお出迎えされますが、警戒されている訳ではありません。体温調節機能を持たない為、口を開けて喉を動かす事で体温調節をしています。

名前の由来になっている「青い足」。実は、生まれた時から青色なのではありません。誕生時は「白」、その後は「グレイ」、最後に「青」と変化していきます。これは、成長の過程で餌となる魚の成分と関係しているからなんです。

パタパタと脚をゆっくり上げるキュートな求愛行動は、観光客をほっこりした気持ちにさせてくれます。

オスはメスの気を惹く為に、木の枝や石を一生懸命プレゼントします。至る所に落ちていて特別でも何でもないのですが、この愛情深い行動が可愛らしいですね♪

ここで一つ、オスとメスの見分け方です。

  • オスは、「瞳が小さい」、「身体が小さい」、「声が高い(ヒューヒュー鳴く)」です。
  • メスは、「身体が少し大きい」、「声が低い(ガーガー鳴く)」です。

声の違いが一番分かりやすいかもしれません。

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つがいになると、交互に雛を育て、狩りへ出かけます。

毎年2~3個の地面の巣に卵を産み、両足で抱えこみ約40日間温めます。面白い事に1個目と2個目の卵では5~8日くらい孵化するのに時間差があります。その為、2匹の雛がいる巣では必ず雛の大きさが異なります。

雛は2か月頃から大人の羽に変わり始めます。約8か月かけて、自分で餌を取れるまでの一人前に成長します。

子育てが終わると夫婦を解消...毎年パートナーは異なります。

アオアシ・カツオドリは、惚れボレするほど狩りが上手です。主にイワシやサバなど長い魚を好みます。

狩猟方法は20mくらいの高さから直滑降し海にダイブします。着水スピードは、時に時速90km前後に達します。悲しい事に、着水を失敗すると失明や骨折のケガを負う可能性も含んでいます。

グンカンドリ

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次に、真っ赤な喉で有名な「グンカンドリ」。体長100cm(翼開長時230cm)前後の海鳥。

実はこの赤い喉、いつでも見れるわけではありません。オスだけが繁殖期間(5~8月)のみ、喉元が赤くなります。私が訪れた時期は9月なので、喉元が赤いオスはわずかでした。

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グンカンドリのオスとメスの見分け方です。

  • オスは、「全身が黒い」です。
  • メスは、「ムネの部分のみ白い」です
  • 若いトリは「頭とムネから腹にかけて白い」です。(上記写真)

アオアシ・カツオドリは地上に巣を作りますが、グンカンドリは木の上に巣を作り、成鳥でも木の上で休憩します。

繁殖は2年に1度、1個だけ卵を産み、パートナーが交代で50日間温めます。

グンカンドリの羽毛については防水性がほぼありません。その為、水面に浮く事も潜水も出来ず、魚を捕る事が非常にヘタです。海上で何度も見かけましたが、アオアシ・カツオドリとは異なり水面を触れるか触れないかで捕獲を頑張っていました。

不足分の魚を確保する為にはどうするかと言うと、ずばり「盗み」をします。捕獲が上手いアオアシ・カツオドリ等の餌を横取りします。その為、「泥棒」呼ばれされてしまう残念なグンカンドリです。

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まとめ

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「ホエール・ウォッチング+プラタ島一日ツアー」では、プラタ島の周辺でシュノーケリングもします。

水中では、アオウミガメ、色々な種類の魚、サンゴ礁、そしてマンタに遭遇出来るチャンスがあります。(今回は、船の上からでも数回マンタやアオウミガメを観察出来ました。)

ホエールウォッチングの体験について、毎年若干異なりますが、基本的に6~10月が観察可能な時期と言われています。

「ガラパゴスには行けない」、「手軽に海の生き物を観察したい」、「海が好き」という人は是非訪れてみてください!子供から大人まで十分楽しめるツアーです。ただし、船酔いやすい人は必ず酔い止め薬の持参をお勧めします。

プエルト・ロペスの行き方

【キトからバスで9時間】

  • 「行き」キト→プエルト・ロペス
    7:15、20:45(Reina del Camino社)
  • 「帰り」プエルト・ロペス→キト
    5:00、19:00(Carlos Alberto Aray社)
    8:00、20:00(Reina del Camino社)

【グアヤキルからバスで4時間(ヒピハパ/Jipijapa経由)】

  • 「行き」グアヤキル→プエルト・ロペス
    6:15、7:15、8:15、9:15、10:15、11:15、12:45、14:15、15:45、17:15(Jipijapa社)
  • 「帰り」プエルト・ロペス→グアヤキル
    4:00、4:55、6:00、6:55、7:50、9:00、10:00、12:00、13:00、14:35、16:00、17:00(Jipijapa社)

【※注意】エクアドルではバスの時間が頻繁に代わります。必ず現地で確認ください。運行本数など参考の為に記載しました。(※2019年夏時点)

おまけ:イルカ・ウォッチング

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少しだけイルカ・ウォッチングをご紹介。

エクアドルで一番大きな海岸都市グアヤキルからバスで1時間半、プラジャス郡のプエルト・デル・モロという場所でイルカ・ウォッチングをする事が出来ます。

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ツアーではマングローブの間を観察しながら河口を進んで行きます。波もなく静かで穏やかな河をゆっくり...。心も同調し穏やかな気持ちになります。

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しばらくして河から海に出ます。漁船や水揚げ場、魚を狙うペリカンやウミ鳥が見えてきます。

海では優雅に泳いでいるバントウイルカに何度も遭遇しました。

プエルト・デル・モロでは、通年高確率で観察する事が出来ます。ツアー所要時間、2時間弱。お手頃な値段でツアーに参加でき、グアヤキルからも日帰りで訪れる事が可能です。

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プエルト・エル・モロの行き方

【バスの場合】

グアヤキル(Guayaquil)からプラジャス(Playas)へ。
約30分毎にバスが出発しています。所要時間1時間半
プラジャスからプエルト・デル・モロまでは、Tia(スーパーマーケット)がある15 de Agosto(8月15日)通りでモロ(El Morro)行きのバスに乗車。所要時間30分

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KITAMUCHO

南米 エクアドルのアマゾン地域に在住。元旅行会社スタッフ。昔バックパッカーで中南米やアジアを旅した経験をもつ30代女性です。

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