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音戸の瀬戸をくぐって、みかん県愛媛の松山から平和への架け橋の広島を巡る旅
目次
- 決まっているのは、目的地だけ
- 松山駅に到着。そこで見つけたものと旅の目的
- 愛媛県の名物、鯛めし
- ロープウェイかリフトを使って城に行く!?はずが...
- 宿泊先の道後プリンスホテルへ
- 送迎バスに乗り温泉巡り
- 次の目的地に向かうため、松山港へ
- 松山から広島へ 平和への架け橋の旅
- 訪れたいと言っていた原爆ドーム、平和公園、原爆資料館
- お好み焼きゆうゆう
- まとめ
決まっているのは、目的地だけ
明治22年生まれの小説家、内田百間氏の著名な作品である「特別阿房列車」の"なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて大阪へ行つて来ようと思ふ"という冒頭は鉄道好きにはたまらない。が、しかし今回は用事がある旅に出た。
目的地だけ決まっている。12時過ぎに松山駅。なんてざっくりした日程なのか(笑)
松山駅にて他3人と合流する予定なのである。
そのあと何をするのかは知らないが、宿泊先だけは知っている。
まず博多駅から広島駅まではお安い「こだま」に乗車。
それから路面電車で宇品港まで行き松山港行きフェリーに乗るはずだった...
あれ?確かに広島駅から宇品港までは35分とネットで調べていたのに、実際には50分くらいかかって到着。
目の前で乗る予定の松山港行きフェリーは去って行ったのであった。完全に「お見送りの人」状態で港に立つ窓子...。
約3時間かけてゆっくり多島美を堪能するつもりが、スーパージェットに乗るしか選択の余地はなくなった。
所要時間たったの1時間強。
内田百間氏ではないが短い時間しか乗らないのに高いとは!である(笑)
気を取り直し、また来た道を走って戻り、その10分後に出るスーパージェットに飛び乗った。
安く行く目論み(対外的には多島美を愉しむと言う)は早くも木っ端微塵になった為、ヤケクソになり500円アップしてスーパーシートにランクアップした。
そして早速船内で広島駅で買ったむさしの弁当を広げた。
気分的には遅めの朝食。
ちなみに広島で買う商品はカープ愛がすごい。
<お弁当の写真外観と中身>
瀬戸内海を眺めながらのむさしのおにぎり。広島市民溺愛のお弁当である。
おにぎりだけの弁当が欲しかったのだが、いつ行っても売り切れている。
三半規管がめっぽう弱い窓子ではあるが、さすがに瀬戸内の海は穏やかな為、快適な船旅だ。
途中呉港に寄る。海から見る大和ミュージアムは初めてだ。
写真を撮ってまた弁当の枝豆などを口に運んでいたら、あれ、これは!
なんとなんと潜水艦!
呉港のからすアレイには潜水艦がよく列をなして並んでいるが、たまに海上でのこういう姿を見る事が出来る。
でもこんなに近くで見れるなんてラッキー!
とまぁ、こんな感じで興奮していたら今度は音戸の瀬戸に航路が入っていった。
音戸の瀬戸は川並みに狭いけれど海峡である。
その昔、平清盛が開削して海の幅を広げたので清盛塚などもある。(清盛の扇の話が有名だが平家オタクのため語ると長くなるので割愛)
幅が狭いため、船が順番待ちをして橋をくぐる様は素晴らしい眺めだった。
瀬戸内海にはその昔、水軍が数多く存在していた。小説「村上海賊の娘」のヒロイン景になった気分で豪快な潮の流れを楽しんだ。
(護岸に当たる波の跳ね返りでかなり揺れる為、海賊にでもなったつもりでなければ酔うと思う)
海峡を抜けて穏やかな海を航行中、今後は海に浮かぶ巨大生物を発見!鳥か、イルカか?
翌日まで考えて出した答えが潜水艦。
動きが鳥の泳ぎにしては変だった。
イルカには突起がない。
よくよく見ると海中の暗い影は潜水艦の幅とほぼ同じ。
正解を知っている方は窓子まで。(粗品進呈検討中)
帰りも同じ航路だったが行きのような船の順番待ちもなかった。やはり旅の出会いはその瞬間、瞬間が千載一遇のチャンスでもある。
カーテンなどを閉めて眠らないようにお願いしたい(笑)
松山駅に到着。そこで見つけたものと旅の目的
松山港に到着!
両替の出来ないバスに乗り、40分程で松山駅に到着。(乗る前に教えて欲しい)
待ち合わせにはずいぶん早く着いてしまったので、どこかで暇を潰そうかと見渡すと何もない。いや、ないことはないが思っていたような店は何もなかった。
後で知ったがJR松山駅より松山市駅の方が賑わっていた。
しかしキオスクがあるし、とりあえず入ってみるかと足を踏み入れたら、あらららら。
こんなにみかんジュースだけで棚割されているショーケースをかつて見た事はなかった。
喉も渇いたし、夜の温泉後に袋ゼリーを食べようと思い早速購入。
ベンチでみかんジュースを一気に飲んだ後、やおら立ち上がりまた店に戻ってケース買いした程の美味さ!
オットからラインが届いていたので愛媛に住みたい!とレスしたくらい、みかんジュースにハマってしまった。
松山にいる間、何本も種類を変えて飲んだがこの写真のジュースが一番好みであった。
袋ゼリーも美味しかったが、ちょっとお高めでケース買いはさすがに諦めた。
というわけで早くも一人みかん祭り状態の窓子の元に待ち合わせのメンバーがやってきた。
- メンバー①娘
- メンバー②娘の義理の母北欧人
- メンバー③娘の夫の弟北欧人
実は今回の旅の目的は北欧人のおもてなし。
愛媛県の名物、鯛めし
路面電車に乗り、娘オススメの鯛めしを食べに行く。
愛媛県は鯛めしが名物。
この店は二種類の鯛めしを食べさせてくれる。
宇和島鯛めしと松山鯛めしだ。
宇和島鯛めしは刺身をタレにつけてご飯を食べる
炊き込みにするのが松山鯛めしだ。
うーむ、どちらも甲乙つけがたい。
メニューにみかん寿司とかみかん稲荷を発見。みかん寿司を食べてみたが、割と普通にチラシ寿司だった(笑)
みかんジュースでご飯を炊くのだとか。
ロープウェイかリフトを使って城に行く!?はずが...
今日の予定は?と娘に聞いたら松山城に行くそうな。
ちょっとググってみたけれど大河の主役にはならない系の方だった。
ロープウェイかリフトを使って城に行くというのは面白い!
あいにくの曇り空ではあったが50年に1度の大雨が四国の下の方を通過中で降らないだけでも文句はいえない。ありがたや。
リフトは降りたがまだ上が...。
坂道と山道が苦手な窓子だけリタイア。
茶屋でまたみかんジュースを飲み、団子を食べて俳句を詠んでまったり。俳句をポストに投函してきたが結果は何で確認するのだろう?
松山は「坂の上の雲」でおなじみの秋山兄弟と正岡子規の故郷だ。
坂の上の雲ミュージアムもあったが、北欧人に紹介するのは難しいので却下。
帰りは雨が降ってきたのでリフトが止まり、ロープウェイで帰途に着く。
ロープウェイにはガイドがいて5分くらいで松山の街を紹介してくれた。
これはぜひ乗るべきだ。
アナウンスの最後に「だんだん」の意味を教えてくれたので同行者③に雑な訳で意味を説明。
宿泊先の道後プリンスホテルへ
道後温泉までまた路面電車に乗り、坊ちゃんカラクリ時計のあたりをうろついていたら、娘が目ざとく「あっ!道後プリンスホテルの送迎バスがいるよ!」と、見つけた。
いきなり部屋の写真の理由は外観が昭和チックであまり絵にならない。
しかし内装はかなり手を入れてあり、新築といっても過言はない。
フルサービスのおもてなしはホテルにはない心使いがあり、ホテル派の窓子も今後は旅館に鞍替えしそうな予感。
お食事前にホテルの露天風呂に入ってさっぱり。個室で夕食を頂く。
薬膳鍋はあまりの滋味深さに何杯もスープをおかわり。(窓子は普段は鍋のスープは飲まない派)
送迎バスに乗り温泉巡り
さてさてついに道後温泉本館へと送迎バスに乗り、向かう。
またも雨。しかし浴衣に草履なので気にならない。
道後温泉本館は日本最古の湯だとか。
湯船が深く70センチ近くはあろうか。
小さな子供が入浴していたが、完全プール状態。立つことは出来ない深さ。
また湯温も熱く43度くらいだろうか。
しかし我慢出来ない熱さではない。
建物を現在7年かけて修復中とはあるが完成したらまた来たい素晴らしい泉質だ。
温泉内にはシャンプー類の備品もないのでホテルに戻った後にまた露天風呂に入るという母娘。北欧ユニットは本館のみ一緒に入浴。
②の彼女は温泉が好きなようだが、③の彼の方はさすがに一人で入浴はしたくないようで本館はパス。
そういえば娘婿も最初はオットにイヤイヤ連れて行かれていた事を思い出した(笑)
路面電車にはたくさんの外国人が乗っていたが、温泉ではほとんど見かけなかった。
外国人にとって温泉はまだまだハードルが高い観光なのかもしれない。
早朝、母娘は飛鳥の湯に行く事を企んでいた。しかしまだホテルの内風呂に入っていないという事で先にちょっと覗きに行く。
浴衣は本当に便利で手ぶらで入浴に行ける。
お風呂上がりで涼める広間。
朝風呂とはどうしてこうも清々しいのだろう。
また送迎バスで飛鳥の湯へと向かう。
飛鳥の湯は本館の改装に伴い最近建てられた温泉だ。
湯船にボーっと浸かっていたら、建物の説明をしてくれたご婦人がいた。
壁の陶器が地元の砥部焼だとか、その壁にはプロジェクションマッピングが放映されるとか。観光協会にお勤めなのだろうか。
彼女が全裸でなかったらお金を払わないといけないくらいに完璧な説明だった(笑)
プロジェクションマッピングによると、かの有名な万葉歌人、額田王がこの地で詠んだ歌がある。
熟田津(にきたつ)に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕(こ)ぎ出でな
天皇の行幸に同伴していた額田王がこの美しい景色を見て詠んだのであろう。
ちなみに飛鳥の湯の名前の由来は聖徳太子から来ている。
聖徳太子がこの地で湯に入った時に、この温泉には霊妙があると言ったとか。
昨日感じた湯の質にぴったりの表現だと改めて聖徳太子の智に触れた気がした。
朝の道後温泉本館。
道後温泉駅に停車中の坊ちゃん列車。
道後温泉の入り口にある足湯。
おじいさんがゆっくり足を浸している姿は時が止まっているかのような風景。
飛鳥の湯から戻り、朝食を済ませたら北欧ユニットと案内人の娘は石手寺へと向かった。
窓子は足湯に浸かり極楽極楽(笑)
北欧ユニットの四国の目的はお遍路である。
日本人の窓子ですらまだ行った事はないのに。外国人の東洋に対する意識は面白い。
次の目的地に向かうため、松山港へ
駅で路面電車を待っていたらタクシーの運転手さんがやってきて4人ならバス代より安く行けると半ば強引にタクシーに乗せられた。
バスと違って釣りは出るし荷物もトランクに入れられるとセールストークも上手い。最後は手前でメーターを倒してくれた。
さらにはバスより早く着くから松山港の二階で食事をしたら良いと教えてもらった。
行きはあまり見なかったが松山港はかなり綺麗。なんとハーバービューウェディングも出来るそうな。
昨日の雲は何処へやら。
快晴である。
だんだん(ありがとう)松山!
13時の便で広島へと向かう。
松山から広島へ 平和への架け橋の旅
広島が誇る企業の一つに広島電鉄がある。
原子爆弾が落ちたその数日後に部分的ではあるが、路面電車を走らせたのだ。
地獄と化したあの惨状の中で電車が動いている様は、絶望の淵にいた市民の心に希望を与えた。
というわけで市民の足はバスよりも路面電車である。
宇品港から原爆ドーム前までの移動ももちろん路面電車。
訪れたいと言っていた原爆ドーム、平和公園、原爆資料館
北欧ユニットの希望は原爆ドーム、平和公園、原爆資料館であった。
窓子はオットの転勤で20年くらい前に3年ほど広島市内に住んでいたのでそれなりに詳しいが、今回は3年ぶりの訪問。
特に4月にリニューアルしたばかりの資料館には興味があった。
この日は晴天でかなり暑く、同行者③つまり娘婿の弟が疲れたのか資料館に行くのをためらった。
いやいや、原爆ドームと平和公園だけでは原子爆弾の凄惨さは語れない。
ブロークンイングリッシュまんまの主語も述語もない英語で、これを見ることは平和にとって重要であると説明し、これまた半ば強引に入館させた。やっている事が松山のタクシー運転手と同じである事は否めない(汗)
世の中にはいまだ終わらない戦争は数多くある。廃墟や瓦礫になった街は最近でもニュースでよく見る。
しかし原子爆弾の恐ろしさは街が廃墟になることだけではない。
放射線障害という何年にも渡る死の苦しみが戦争が終わってもなお残るのだ。
一時期、資料館は子どもには刺激が強すぎると展示品を比較的軽いものにした。
広島は今もどう伝えて行けば良いのか葛藤している。
今回の展示内容は「14万人の人が亡くなりました」の強調ではなく、今までよりもさらに詳しく〇〇町に住む〇〇歳の〇〇ちゃんという名前のたくさんの子供があの日をどう過ごしたかを描いている。
そしてあの日の後も...。
それは子供だけではなく夢や希望を持つ若い女性や男性であったり、身寄りが全て亡くなった老人の話しだったりもした。
入り口に展示してある「あの日の前」に撮られた学校の教室を背景に先生と生徒たちの集合写真が今も瞼に焼き付いている。
北欧ユニットがどう感じたのかは聞いてはいない。しかし広島に来て資料館に行くことは平和への架け橋になると信じている。
平和公園では川辺で合唱が行われていた。
たくさんの外国人がこの地を訪れて、広島の美しい景色を楽しみ、散策している。
お好み焼きゆうゆう
まだ時間があったので、広島駅近くのお好み焼きを食べに行く。
このお好み焼きゆうゆうは麺がラーメンという変わり種。
外国人にも全く怯まず、イカ天の試食をさせてくれたお店の方。
それもそのはず、その後交代要員で来たスタッフは全てベトナム人だった(笑)
ソースを少なめにするのがこの店のオススメ。暑い日にさっぱり系のお好み焼きは食が進んだ。
お好み焼き ゆうゆう
- 住所:広島県広島市南区大須賀町9−2
- 電話番号:082-264-6127
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まとめ
帰りもこだまで各駅停車ではあるが、内田百間氏のように「お金を遣い過ぎた為に貧相な気持ち」での帰途にはならなかった。
なぜならば、また広島経由の四国行きを生もみじ饅頭を食べながら構想していたからである。
"天気晴朗なれど平和への波高し"
さらば広島。
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窓子
- 10年来の飛行機嫌いを克服して海外旅行が趣味になりつつある映画好きのSWオタクにしてトレッキー、さらに新撰組熱血ファン。勤務先は旅行会社 コールセンター。たまに不要な知識を暴走させてお客様と長話をしてしまう難癖あり。