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江ノ電の地味~な部分の魅力を地元っ子"おーひ"が熱く語ります。
こんにちは!
「江ノ電」と聞いたらどんなことを思い浮かべますか?
おそらくほとんどの方が「海沿い」「民家スレスレ」「海を向こうにみる踏切」「映画/ドラマ/アニメに出てくる」だと思います。
どれも大正解!なのですが、実はその部分は路線としては江ノ電の半分!なのです
もちろんそれでも十分楽しく魅力たっぷりなのですが、普段スポットを当ててもらえない(笑)
残り半分の「腰越(こしごえ)-藤沢」間の意外な(?)魅力を江ノ電通勤歴約10年の"おーひ"がお伝えします。
【ご紹介区間】
鎌倉~腰越→江ノ島→湘南海岸公園→鵠沼(くげぬま)→柳小路→石上→藤沢
※藤沢行きが上り電車、鎌倉行きは下り電車です
※取材日:2018年1月14日
では早速、出発しまーす!
① 腰越~江ノ島
この区間は一部、江ノ電と一般道が並走する箇所がありますので比較的有名ですね ^―^鎌倉市にある腰越駅から藤沢市の江ノ島駅まで、電車に揺られながら市をまたぐことになります。
商店街のような通りを、電車・車・バイク・自転車・ひとが譲り合いながら進みます。
江ノ島駅を左にして、正面に見える大きな門は龍口寺。
門をくぐり奥に進むと神奈川県で唯一の木造五重塔、さらに上ると仏舎利塔があります。
② 江ノ島~湘南海岸公園
片瀬(かたせ)という地域に入ります。
約800メートルの区間には合計15軒(記者調べ)の飲食店・商店がほどよい距離間で並んでいます。
こちらは途中にある商店に掛かっている『塩』看板です。昭和ですね~。近ごろはおしゃれなカフェやレストランも増えており、ちょっぴり活気が出てきているエリアです。
ちなみに駅名となっている「湘南海岸公園」は鵠沼海岸沿いにある神奈川県営の公園です。
公式HPによると、アクセスは「小田急江ノ島線の鵠沼海岸駅から徒歩10分」と掲載されていますので気を付けてくださいね。
もちろんこの駅からも行けますが、移動手段は徒歩のみで20分くらいかかります。
③ 湘南海岸公園~鵠沼
住宅街のなかを通り、途中で江ノ電唯一の鉄橋である「鵠沼鉄橋」を渡ります。
橋のかかるこの川は境川(さかいがわ)といい、東京都町田市と神奈川県相模原市を流れ相模湾につながる、ながーい川です。
川沿いではジョギング・ウォーキング・犬の散歩・ポニーの散歩の定番コースになっています。
また、川ではパドルサーフィンやカヌーの練習なども行われています。
この日はとても気の早い河津桜が開花していました!
そして鵠沼駅、ここのホームには!なななんと!待合室と、ホームと改札階を結ぶエレベーターがあります!数少ないハイスペック駅です。
④ 鵠沼~柳小路
この辺りは昔、多くの沼が点在し、鵠(くぐい:白鳥)が飛来していたことから「鵠沼(くげぬま)」という地名になりました。現在残るふたつの沼は第一はす池、第二はす池と呼ばれ、藤沢メダカやカエルが住み、カワセミなどの野鳥も訪れます。夏の朝にはその名のとおりとてもきれいな蓮の花がみられ、近隣住民の憩いのスポットとなっています。
しかしいまの姿になるまでには、沼の埋め立て・ゴミの不法投棄・外来生物の違法放流等の問題がありました。それらに立ち上がった地域の方々がたくさんの苦労と長い時間をかけて、現在の隠れた名所を作り上げました。そのことに少しだけ思いを馳せて、ちょっと寄り道なんていかがでしょうか??
●はす池のさらに詳しい情報を知りたいなら。。。
はす池の自然を愛する会HPはコチラ
⑤ 柳小路~石上
このあたりは、何もないからこそ江ノ電をしっかり見られる!ということで意外と多くのカメラマンさんがカメラを構えています。季節によっては線路沿いに桜や紫陽花、コスモスが咲きますので、お花を前に江ノ電をパチリ☆して、江ノ電フォトコンテストに応募してみるものいいですね^^撮った写真に満足できなかったら、、、待っていればまた来ます。のんびりいきましょう。ただし!ここは学校の通学路になっていますので怪しまれないようにご注意ください。笑
おぉ!黄泉行き!
⑥ 石上~藤沢
さあ、最後の区間です。ここも歩けます。江ノ電藤沢駅、今は小田急デパートの2階に当たる部分で発着をしていますが、以前はJR藤沢駅から近い地上に駅があったそう。しかし、人口増加に伴う藤沢駅南口の拡張・区画整理の為に移転が決まり、駅の場所をぐいっと2階に上げる工事を行いました。では、それまでの線路と新しい線路をどこで区切ったのか・・・?
よーく見てください。途中で曲がって出ていませんか??そう、そのあたりが切り替えポイントです。
そして建物の中に入り、始発・終点駅の藤沢駅に到着です。
この間、約15分。
正直に申し上げまして地味です。ものすごーーーーーーーーーく地味な区間です。ですが、あんなに有名な江ノ電にもこんなに地味な区間があるなんて、ほっとするというか、親しみを感じませんか??
さて、車掌さんのアナウンスが流れるのはどの鉄道会社さんでも同じだと思うのですが、江ノ電は時々、通勤時間に合わせてこんなアナウンスをしてくれます。
「おはようございます(中略)この先もどうぞお気をつけていってらっしゃいませ。」
「おかえりなさい(中略)今日も寒い中一日お疲れさまでした。」
友達のような親戚のような感覚で、つい心の中で返してしまいます。
「江ノ電も一日がんばってね」
「江ノ電もお疲れさま!」
「今日も安全に、時間通りに運んでくれてありがとう。」
アナウンスは、全ての車掌さんが同様のことを行っているわけではありません。
もしも必ずやるようになってしまったら・・・、きっと当たり前になって何も感じなくなるかもしれません。
また以前はホームの掲示板に"ぐれはちさんぽ"と名前の付いた掲示物がありました。江ノ島電鉄(株)さんで勤務されている"ぐれさん"と"はちさん"が「○○に行ってきました~」「○○してきました~」ということを、江ノ電を利用する子供たちに向けて、親しみやすく分かりやすい表現で、手書きで書かれた壁新聞のようなものでした。
そして紫陽花の季節になると江ノ電沿線の開花情報を教えてくれる"江ノ電あじさい情報"が出ます。もちろんこちらも手書きで、実際に訪れて撮影した写真も併せて駅に貼り出されます。期間中は何度も更新され、これから見に行く方が楽しめるように、と心が込められています。
"ぐれはちさんぽ"や"江ノ電あじさい情報"がにきれいにタイピングされたものだったら・・・、じっくり読む気なんて起きないかもしれません。私が江ノ電に魅力を感じるのは、江ノ電の持つ「あたたかみ」と「親しみ」なんだなぁと、この記事を書いていて気がつきました。
世代や国籍を問わず人気の江ノ電。最近は以前にもまして海外からのお客様が増えました。毎日利用している沿線住民からすると、週末の混雑と遅延に合うと「も~別の路線を使用して~~!!」と思うこともしばしばですが、自分の慣れ親しんだ江ノ電で楽しい思い出を作ってもらいたい、とも思っています。江ノ電はJR・私鉄に比べると電車の幅が狭いので、カバンの持ち場所や立ち位置など、周りの方と一緒に詰め合い、譲り合い、"お互いさま"の気持ちで笑顔で利用していただけたらなと思います。
では、語りつくせませんが今回はこのあたりで失礼します☆
まだまだ寒い季節が続きますが、富士山がきれいに見えて嬉しいです。
また、江ノ電の幾つかの駅と江の島では2月中旬までイルミネーションが楽しめます!日中とはまた異なる夜の魅力も見に来てくださいね。
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おーひ
- 太平洋の近くに住むも、海に行くのは年に数回。好奇心のみで生きている戌年いて座O型末っ子です。行ける!と思えば国内でも海外でもひとりで出発。好きな言葉は『温故知新』と『今日は、これからの人生で最も若い』