たびこふれ

江東区の下町にある「深川ワイナリー東京」でマイベストワインに出合う

  • Facebook シェア
  • twitter シェア
  • はてなブックマーク  シェア
  • google+ シェア
  • LINE シェア

最終更新日:2017/10/04

Views:

小さな工場や製作所、集合住宅の低層ビルが並ぶ江東区古石場(ふるいしば)。深川(ふかがわ)エリアの繁華街・門前仲町の喧噪からほどよく離れた、静かな下町です。川と運河に囲まれ、水辺エリア特有のゆったりとした空気に心なごむ界隈。そんな静穏な町でワインが造られ、愛好家のみならず地域で親しまれています。

00310_170902_01.jpg

ワイン保護のため表の扉は閉じている「深川ワイナリー東京」。中へは側面の扉から入って行きます。

醸造所にワイン・バルを併設する「深川ワイナリー」はビルの1階にあります。限られた空間でワインが造られている状況にまず意外さを感じました。ワイン醸造には広大な敷地が必要という先入観をもっていたからです。ここには夏と秋は山梨、山形、青森などから、冬と春は南半球で栽培されたブドウが運び込まれてきます。そのブドウの果実・茎・枝を分け、ブドウ果汁を絞る器具、澱(おり)と呼ばれる沈殿物や雑味を除去するフィルター、発酵するタンク、発酵後のワインを熟成させる木樽、瓶詰めする専用機械が醸造所内に収まっています。そのコンパクトな作業環境にも驚きました。

工程の流れに沿ってそれぞれの器具の役割を説明してくれたのは醸造を手がけるエノログ(ワイン醸造技術管理士)上野浩輔さんです。

00310_170902_02-1.jpg

00310_170902_02-2.jpg

00310_170902_03-1.jpg

00310_170902_03-2.jpg

00310_170902_03-3.jpg.jpg

イタリア製機械にブドウを投入し、ハンドルを手回しして果実・茎・枝を分けているところ。地域住民や常連のお客さんに声掛けをすると積極的に力を貸してもらえるとか。一番下は作業に参加した小林さん(右)と田中さん。この日は20名の方が作業を見学に来ていましたが、ほかにもブドウ収穫体験ツアーなども企画。身近なワインを提供することと親しみやすいワイナリーを目指しているのだそうです

醸造工程をひととおり説明した後、上野さんは低温でゆっくり発酵させているワインをタンクから抽出。旨味、香り、味わいが充分に乗ってきているか毎朝、確認しています。

00310_170902_04.jpg

00310_170902_05.jpg

最大1,500Lの容量がある発酵用タンクは5本。毎朝、上野さんが発酵の状態をチェックしています

じつは以前、深川ワイナリー東京を個人的に訪ねた際、いただいた多様なワインに深い感銘を受けました。私はワイン初心者ですし、嗜好や味わいの感じようはあくまで主観的なものですが、それらは自分の人生ではじめて心からおいしいと思えたワインでした。私は近ごろ体質が変わったのか市販ワインをグラス2~3杯呑むと、決まって気分が悪くなりました。

ワインのフルーティな風味は大好きなのに体が受け付けないことを残念に感じ、悪酔いするワインに苦手意識を抱き始めていたのです。ところが、深川ワイナリー東京のワインはすっと優しく体に沁みこんでくる感覚。ホッとする懐かしい味わいも感じられました。

00310_170902_06.jpg

00310_170902_07.jpg

醸造風景を眺めながらワインを試飲できるワンコイン・バル「テイスティングラボ」。ここでワインの販売もしています。バルの奥には会員制レストランもあります

深川ワイナリー東京のワインには大きく3つの個性があるそうです。

●ワイン用の品種だけでなく、食べるためのブドウも用いている。

懐かしさを覚えた理由は子供のころから食べ慣れたブドウを使用しているからかもしれません。

●無濾過のワインも造っている。

ワインは1カ月かけてタンクで発酵させた後、木樽に移しますが、このときにフルーティでおいしいと感じられたら、果肉・皮・酵母を濾過(ろか)しないワインとして販売。果実の香りが口のなかにふんわりと広がる印象で、穏やかで控えめな味わいが女性に人気だとか。私もこれがベストかな。

●ペーパーフィルターで濾過している。

発酵後、フルーティさよりお酒感が強く出ているときはペーパーフィルターを20枚重ね果肉・皮・酵母の成分を濾過。アクセントのある味わいになります。濾過剤を用いず、自然素材で丁寧に濾過する手間のかかる工程が優しい味わいにつながっているのでしょう。

00310_170902_08.jpg

「テイスティングラボ」ではワインをよりおいしく味わえるワインコインのメニューを用意。この場に立つこともある上野さんは料理と相性を意識し、旬の食材を味わえるワイン造りを心がけているそうです。

00310_170902_09.jpg

山形、青森、長野産のブドウで造ったワイン。時期によって店頭に並ぶものは異なります。

取材の締めくくりに、「テイスティングラボ」で赤と白、濾過と無濾過、スパークリングワインといろいろ呑み比べさせてもらいました。私はワインに詳しくないのですが、それぞれに明確な個性が感じられ、それぞれがおいしく思えました。そのなかで自分だけのベストを探る体験はとても心躍ります。ひとりひとり味の好みは違うはずですから、多様な種類のなかから、こうして好みに合う一本に出合える空間は東京では貴重です。

私のように市販のワインに悪酔いしてしまう人、知識も経験も乏しいけれど自分の暮らしに身近で最良のワインを探し求めている人は訪ねてみてはいかがでしょうか。

深川ワイナリー東京

住所:東京都江東区古石場1-4-10高畠ビル1F
電話:03-5809-8058
営業時間:月・火曜10:00~18:00(試飲・ボトル販売) 
     水~日曜10:00~22:00(17:00よりバータイム L.O.21:30)

プロフィール画像
この記事を書いた人
ヤスヒロ・ワールド
  • Facebook シェア
  • twitter シェア
  • はてなブックマーク  シェア
  • google+ シェア
  • LINE シェア

最終更新日:2017/10/04

Views:

この記事に関連する記事

東京のアクセスランキング

© 2017 TabiCoffret Co.,Ltd.