歴史感じる旅へ。太原を廻る 後編

前回に続き、山西省太原をご紹介致します。今回は有名な遺跡と食べ物です!

太原屈指の名勝地「晋祠」

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時代は、周王朝(紀元前11世紀から3世紀頃)にまで遡ります。周王朝が衰退して諸侯が天下を争っていた乱世に、晋国がありました。その前に、晋の元となったのが、唐という国でした。唐国の始祖である唐叔虞を祀る祠廟が、この「晋」です。

現在残っている建造物は、北宋の時代、西暦1020年ごろに建てられたものです。

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確かに歴史感じる外観ですが、きちんと文字も読めるうえとてもいい保存状態です。

ここで少し歴史を深掘りしてみましょう

古代からずっと「礼」を行う場としての基盤となっていた、ここ「晋」。春秋時代に生まれた孔子は、人間の内面にある「仁」が態度や行為として外面にあらわれたものを「」と呼んで区別しました。日本の礼儀とはまた違い、古代中国における、人が従うべき社会の規範のことを意味しています。

仁と礼のバランスが取れれば問題はありませんが、矛盾の塊であるような人間は、そういうわけにはいきません。心性に根付く人間の道徳性とはまた別に、社会の共同体を維持するために、外的規制として「礼」があったということです。周がダメになってからは、孔子曰くがなくなったということですが、時代によって解釈も違います。

本来は、唐叔虞を祀る祠廟として建てられたわけでしたが、一国の諸侯程度を敬っていいのかどうかいつも議論になっていたとか。中世になると、北の要塞だった太原の地で、水利を求めて水の神様が持ち上げられ、唐叔虞以外の民間から出てきた聖母なども祀られて始めました。士大夫にとっては許しがたい行動でも、そのような実利的な民衆の想いも「礼」として次第に組み込まれるようになったんですね。

理を重要視する知識階級や、別の土地からのよそ者が多元的に見たとしても、そこに住む人にとっては、時空間を超えて、人々を守ってくれる立派な祠廟と変わりありません。

樹齢2600年―2900歳の柏が

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紀元前からずっとある樹木だそう。確かに、何千年も時空を超えた存在感がありました。

「晋祠」は、公園になっていて、博物館も整備されていたりと、見どころはたくさんです。歩き疲れるかもしれませんが、悠久な歴史が感じられること間違いなし。ガイドさんに話を聞くと、面白い逸話が聞けると思います!

チケットは一人70元。開園時間は、4月~10月が8時~18時、11月~3月が8時半~17時となっています。

北京の故宮のように、祠が太原の象徴でもあるので、ぜひ一度はどうぞ!

太原の味「刀削麺」を食べてみましょう★

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刀削麺の起源は元朝。漢民族の反乱を恐れたモンゴル民族が、金属類を没収。10戸につき一つだけ包丁を置かせてくれたとか。昼時になると、一つの包丁を近所で取り合いになり、取れなかった旦那は奥さんに怒られないように、家の前に落ちてた鉄の欠片を渡したとか。

麺を切るのに、こんな薄い鉄の欠片じゃ切れない!と奥さんは文句を言いながら、素早くサッサと切り落とすようにして麺を作ったそうです。食べてみたらおいしくて、どんどん広がって、この荒い作り方が太原の味となったのです。

麺は、とにかく荒い。でも猛々しい味がまたいいです☆スープがないのも意外においしい。団子っぽい舌触りですが、少し辛めの具と中国ならではの調味料をうまく混ぜて食べたら全然悪くありません。(本場の唐風・担々麺も、実は汁がありません。)山西省は、酢も有名で、「陳酢」という名前の酢をつけながら食べてみても味が引き締まって良いと思います。

店によって価格も味も全く異なるので、色々食べ歩いて、自分のお気に入りを見つけてみてください!チェーン店だと、一杯15元から20元。路地裏の個人店だと、一杯10元くらいで、ホテルのルームサービスで一杯約25元、空港だと少々お高く一杯約60元くらいです。(現在、一元はおよそ16円。)

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