バカンスシーズン到来、イタリア流夏休みの1日


連日40度近くなる真夏のイタリアで、イタリア人はどんな風に過ごしているのか?夏の楽しみの一つである地元の野外劇場のレポートです。

イタリアではほとんどの学校が終了し、本格的に夏休みが始まりました。

日本では新学年や仕事の始まりは4月ですが、イタリアでは6月末に学校が終了し9月に新学年が始まります。長い長い夏休みの幕開けです。

今年の夏は猛暑で、つい先日遂に屋外の温度計が40度を記録しました。この時期にイタリアを旅行する人は熱射病や熱中症に十分に気をつけて、無理な観光スケジュールを組まないよう注意して下さい。

さて、この時期のイタリア人の関心は、とにかく海!バカンス!顔を合わせれば「いつ、誰が、どこの」海に行くかの話題でもちきりで、少しでも早く長い期間バカンスに行ける人に羨望の眼差しが集まります。日本では長期の休暇を取るのはなかなか難しいですが、休む時はまとめてきっちり休むのがイタリア流です。

皆がこぞって海方面へと移動するので、7月頃から都市部は徐々に閑散としてきます。フィレンツェからも市民が消え、住宅地はどこも人が少なくなる時期です。特に日中は暑すぎるので外を歩き回る人はほとんどおらず、街に残った人は涼を求めて早朝や夕方~夜に散歩を楽しみます。

IT_2017080101.jpgそんな真夏の市民の楽しみの一つが、野外劇場。屋外での映画上映や演劇、コンサートなどが各地で開かれます。フィレンツェの住宅街でも小規模な野外イベントが開かれ、日替わりで様々な演目があるということで、私たちも子供向け人形劇を観に行って来ました。

IT_2017080102.jpg大通りから少し外れた場所にある劇場裏の小さな庭。地元の人しか知らないような住宅街の中のちょっと隠れたスペースに、夕方になって近所の子供たちが続々と集まってきました。太陽の日差しが強いイタリアでは日中外遊びをするのは危険なので、夕方から集まるイベントは地元の子供たちにとってとても貴重な機会なのです。

今回はPUPI di STACという人形劇グループがやって来て、赤ずきんちゃんを上演しました。1946年創設の地元フィレンツェのグループで、各地でクオリティの高い人形劇を披露しています。最近はこうした伝統的な人形劇を真似しただけの質の悪い劇団も増えましたが、やはり50年以上の経験がある劇団には安定感があります。

映画や演劇とは違って、演者と子供たちとのやり取りや掛け合いがあるのが、小規模イベントの面白いところ。「もっと大きな声で元気よく!」「赤ずきんちゃんを応援しよう!」と子供たちに呼びかける様子は、どことなく日本のヒーローショーにも似ています。しかし狼を見て泣き出した子供に向かって、狼が「なぜ泣くのだ?まだ誰も食べてないのに」なんて声をかけて周囲を笑わせるところは、やはり相手をからかうフィレンツェ風ジョークだなと感じます。

IT_2017080103.jpg大きな拍手と共に人形劇が終わると、背後からバーベキューのいい匂いが漂ってきました。敷地内に炭焼き肉を売る屋台が出ていて、夕飯を食べられるようになっていたのです。

暑い昼間はしっかりと昼寝をして、夕方気温が下がってから外に出る。屋外でイベントを観て、涼しい木陰で子供たちを遊ばせ、友人たちとのお喋りを楽しみながらバーベキュー。お腹いっぱいになったら近所をブラブラと散歩したり、お気に入りのジェラテリアでジェラートを食べたりして、遅めの時間にゆっくり家に帰る...いかにもイタリアらしい、平凡な夏休みの過ごし方です。

こういう1日があると、ああ夏が来たなぁと実感します。

IT_2017080104.jpgこの場所では6/25~7/31まで、イタリア音楽やイタリア映画を中心に上演しています。8月までは市民の憩いの場として盛り上がることでしょう。

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佐藤 モカ

イタリア・フィレンツェ在住。作家、フリーライター、マーケティング各種リサーチやコーディネートなど。2013年女児出産、現在育児奮闘中。

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